2008年01月30日

手のぬくもり

僕は今までずっと人間の手が嫌いだった。

人間の手は僕たちを叩く為の物だから。

人間の手は僕たちを放り投げる為の物だから。

だから人間の手は大嫌いだ。



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僕は今までそうやって怖い思いをしてきた。

でも僕たちにとってはそれが普通の事だった。

叩かれると怖くて痛いから人間の手は嫌いだった。

だから最初は僕に差し伸べられた手が怖くて仕方なかった。

人間の手が僕の方へ伸びてくると叩かれるのかと思って怖くて仕方なかったんだ。

でもみぞママは僕を一度も叩いていないんだ。

僕にはそれが不思議で仕方なかったんだ。

いつ叩かれるのかと思うと怖くて僕の体はずっと震えていたんだ。

そんな時にみぞママは僕に言ったんだ。

「誰もわさびを叩いたりしないよ。放り投げたりしないよ。
人の手は叩く為にあるものじゃないんだよ。わさびを抱きしめる為にあるんだよ」

そう言ったんだ。



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僕があそこを出た時にみぞママとは違う女の人が僕を抱きしめていたのを思い出した。

初めてお外に出たあの日に寒い中しっかりと僕を抱きしめてくれていたんだ。

一緒に居た女の人たちも誰も僕を叩いたりしなかった。

皆で僕の頭を撫でてくれた。

僕はその時に思ったんだ。

温かい。人間の手が温かい。

そんな風に思ったんだよ。



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あの日から何日も経つけど僕は一度も叩かれていないよ。

僕が悪さしても僕は一度も叩かれていないよ。

みぞママの手はいつも僕を撫でてくれる。

とても温かい手で撫でてくれる。

そうして僕を抱きしめてくれる。

2本の手で僕を抱きしめてくれる。

僕は知ったんだ。

人間の手のぬくもりを知ったんだ。

生まれて初めて人間の手は温かいという事を知ったんだ。

その手のぬくもりを知ったんだ。



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もしかしたら人間はそんなに酷いものじゃないのかもしれない。

僕はそんな風に思い始めていた。

手のぬくもりを知ってから。

人間のぬくもりを知ってから。

そんな風に思い始めていたんだ。。。

ニックネーム みぞ at 21:15| Comment(18) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする